始まり始まりー((←←←←←←

男「会長、これ今月の予算です」
実「ああ、ありがとう」
さっきからチラチラと時計を気にする実夏を見て、男は首を傾げる。
男「どうかしたんですか?」
実「え、あぁ、大丈夫だから。」
持っている書類を揃えハァとため息をついた。
実「ねぇ、今日は会議あった?」
揃えた書類に目を通しながら静かに言った。
男「いや、今日はない…ですね。はい。」
男が言ったあと、口角を少し上げ、微かに笑った。
実「そう…なら、この仕事家でやってくるね。ありがとう。また明日」
鞄に素早く書類をしまい、ヒラヒラと手をかざしながら歩いていった。

女「あ、会長さようならー!」
実「さようなら」
女の方を向き、ニコリと笑った。
正「なぁなぁ帝人!!今日こそナンパしようぜっ!!」
帝「えぇー昨日も行ったじゃん…」
正「そんなつれないこと言うなよーな、な?」
帝「あ、会長さようならー」
実「またね!帝人君っ!正臣君っ!」
ローファーを履いてすぐ走っていった。
帝「そういやさ、会長の家ってどこなんだろうね?」

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実「はぁ、はぁ…っ」
駅までずっと走ってきたせいか息が切れていた。
しかも両手にはスーパーの袋を持っている。
実「早く帰らなきゃ…っ」
電車に乗り、荷物を下ろしてふぅ…と一言。
実夏の家は池袋ではない。
新宿なのだ。
そして、一人暮らしではない。
実家でもない。
居候させてもらってるだけなのだ。
実「ただいまですっ!!」
「あら、お帰りなさい。遅かったわね」
ローファーを脱ぎながら上を見る。
実「波江さんっ!!」
波江と呼ばれた女性はいかにも大人の女という感じがする。
波「じゃあ、私は帰るから、後はよろしくね」
後はよろしくと言われて何の事だかさっぱりわからなかった。
実「はい…?」
実夏は同居人が居る部屋を見てみることにした。
「やぁ、お帰り、実夏」
実「折原さん!」
折原さんと呼ばれた少年…いや、青年というべきか。
その青年は折原臨也。結構有名な情報屋だ。
実「あ、今日の晩御飯は唐揚げですよっ!鶏肉が安かったんです!」
スーパーの袋から色々出してくる。
実「あーっと。レシートレシート。」
真剣な表情でレシートを見る。
臨「そんなの気にしなくてもいいのに。」
実「うぁっ!?ちょっ折原さんっ!」
パッとレシートを取られ、さっきまでの真剣な顔では無くなった。
臨「あのさ、いい加減その他人行儀やめない?3年も一緒に住んでるんだしさ」
実「え…だって年上ですし…」
臨「じゃあどうしてシズちゃんは名前で呼ぶの?」
それを言われ、ちょっとうつむく。
実「折原さん大人な感じがするんですよ。静雄さんは同級生っぽい感じがします。」
臨「ふーん。大人ねぇ…」
ポリポリと頬を掻き再び実夏に目線を合わせる。
臨「なんでもいいけど、折原さんはやめて欲しいな。」
実「えぇ!!じゃあ、何て呼べば…」
臨「臨也でいいよ。晩御飯できたら呼んでね。」
実「〜っ!!」
(い、い、ざや、晩御飯できましたよ!!)
(え?)
(〜っ!!晩御飯できましたよ!!)
(誰を呼んでるの?実夏。)
(もういいですっ)
fin.←
初書きオワタ\(^o^)/